生成AIによるビジュアル量産は魅力的ですが、「毎回テイストがバラバラ」「ブランドカラーが再現されない」といった課題も頻発します。 本記事では、Midjourney Style Tuner・Leonardo Fine-Tuning・ControlNetなどを組み合わせ、 ブランドガイドラインを厳守しながら AI 画像を量産する具体的な手法を解説します。

目次


1. なぜAI画像は“ブランド崩壊”を招きやすいのか

  • プロンプトの揺らぎ:同じキーワードでも配色・質感が毎回変動
  • デザイナー依存:担当者ごとに“らしさ”の解釈が異なる
  • 量産フェーズ:チェック工程が追いつかず誤用が露見しづらい

2. ガイドライン遵守に使える3つの主要ツール

ツール / 機能役割ポイント
Midjourney
Style Tuner
色調・テクスチャ・光質を“Style ID”として固定プロンプト末尾に --style ID を付加するだけで統一
Leonardo
Fine-Tuning
自社素材を学習させた“ブランド専用モデル”を構築10〜30枚でOK/複数モデルで季節キャンペーンも管理
ControlNet
(Stable Diffusion系)
線画・ポーズ・レイアウトを厳密にコントロールテンプレ構図を固定→差し替え生成時のズレを防止

3. 実践ワークフロー:3ステップでブレない画像量産

STEP 1:ブランドトーンを“Style ID”化(Midjourney)

/imagine prompt: flat lay of skincare products on pastel pink silk cloth
                --style tune
  1. 生成された4系統から最適なものを選択→Style ID発行
  2. 以降のプロンプトに --style 82310(例)を追加→色味と質感を固定

STEP 2:ブランドモデルを作成(Leonardo Fine-Tuning)

Base Model:     Leonardo Diffusion XL
Training Img:   20枚(RGB#FF6B00&#00224D優勢のバナー)
Steps:          1000
Output Name:    Brand_OrangeNavy_v1

生成時はモデル選択だけでロゴ色・配色・筆致が自動反映。

STEP 3:レイアウトを固定(ControlNet)

  1. Figmaで商品写真枠+テキスト位置を線画出力(PNG)
  2. Stable Diffusion Web UI → ControlNet に線画を入力
  3. "minimalist product hero shot"+ブランドモデルで生成 → 枠ズレなし

4. ブランド統一プロンプト&パラメータ例

用途プロンプト例付与オプション
EC商品バナーflat illustration of {product}, top view, soft shadows, --style 82310Aspect 4:5 ・ Quality 0.75
SNS投稿{product} on monochrome background, vibrant highlight rim light --style 82310–ar 9:16 ・ Motion Brush(Gen-3)で光だけ動かす
季節キャンペーン{product} with sakura petals floating, dreamy pastel --model Brand_Spring_v2CFG 6.5 ・ Seed固定

5. よくあるQ&Aと落とし穴

  • Q. Style ID を付けても色がズレる?
    A. Vary (Region) 時に ID が消えるケース→再度 --style を追記
  • Q. 他社ロゴが混入することは?
    A. Fine-Tuning 時に自社素材以外を混ぜない/ControlNet で無地ベース推奨
  • Q. 著作権・商標は安全?
    A. Midjourney/Leonardo は有料プランで商用ライツ付与。“他社キャラ・IP” 禁止を徹底

6. まとめ:まずは“Style ID登録”から始めよう

AI生成でブランドを守る鍵は①トーン固定 ②モデル学習 ③レイアウト制御の三段階。 最初の一歩は、Midjourneyで --style tune を試し、Style ID を取得することです。 その ID を付けた生成物の統一感を体験し、次に Fine-Tuning/ControlNet を拡張していきましょう。

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