生成AIによるビジュアル量産は魅力的ですが、「毎回テイストがバラバラ」「ブランドカラーが再現されない」といった課題も頻発します。 本記事では、Midjourney Style Tuner・Leonardo Fine-Tuning・ControlNetなどを組み合わせ、 ブランドガイドラインを厳守しながら AI 画像を量産する具体的な手法を解説します。
目次
- 1. なぜAI画像は“ブランド崩壊”を招きやすいのか
- 2. ガイドライン遵守に使える3つの主要ツール
- 3. 実践ワークフロー:3ステップでブレない画像量産
- 4. ブランド統一プロンプト&パラメータ例
- 5. よくあるQ&Aと落とし穴
- 6. まとめ:まずは“Style ID登録”から始めよう
- お問い合わせ
1. なぜAI画像は“ブランド崩壊”を招きやすいのか
- プロンプトの揺らぎ:同じキーワードでも配色・質感が毎回変動
- デザイナー依存:担当者ごとに“らしさ”の解釈が異なる
- 量産フェーズ:チェック工程が追いつかず誤用が露見しづらい
2. ガイドライン遵守に使える3つの主要ツール
ツール / 機能 | 役割 | ポイント |
---|---|---|
Midjourney Style Tuner | 色調・テクスチャ・光質を“Style ID”として固定 | プロンプト末尾に --style ID を付加するだけで統一 |
Leonardo Fine-Tuning | 自社素材を学習させた“ブランド専用モデル”を構築 | 10〜30枚でOK/複数モデルで季節キャンペーンも管理 |
ControlNet (Stable Diffusion系) | 線画・ポーズ・レイアウトを厳密にコントロール | テンプレ構図を固定→差し替え生成時のズレを防止 |
3. 実践ワークフロー:3ステップでブレない画像量産
STEP 1:ブランドトーンを“Style ID”化(Midjourney)
/imagine prompt: flat lay of skincare products on pastel pink silk cloth --style tune
- 生成された4系統から最適なものを選択→Style ID発行
- 以降のプロンプトに
--style 82310
(例)を追加→色味と質感を固定
STEP 2:ブランドモデルを作成(Leonardo Fine-Tuning)
Base Model: Leonardo Diffusion XL Training Img: 20枚(RGB#FF6B00&#00224D優勢のバナー) Steps: 1000 Output Name: Brand_OrangeNavy_v1
生成時はモデル選択だけでロゴ色・配色・筆致が自動反映。
STEP 3:レイアウトを固定(ControlNet)
- Figmaで商品写真枠+テキスト位置を線画出力(PNG)
- Stable Diffusion Web UI → ControlNet に線画を入力
"minimalist product hero shot"
+ブランドモデルで生成 → 枠ズレなし
4. ブランド統一プロンプト&パラメータ例
用途 | プロンプト例 | 付与オプション |
---|---|---|
EC商品バナー | flat illustration of {product}, top view, soft shadows, --style 82310 | Aspect 4:5 ・ Quality 0.75 |
SNS投稿 | {product} on monochrome background, vibrant highlight rim light --style 82310 | –ar 9:16 ・ Motion Brush(Gen-3)で光だけ動かす |
季節キャンペーン | {product} with sakura petals floating, dreamy pastel --model Brand_Spring_v2 | CFG 6.5 ・ Seed固定 |
5. よくあるQ&Aと落とし穴
- Q. Style ID を付けても色がズレる?
A. Vary (Region) 時に ID が消えるケース→再度--style
を追記 - Q. 他社ロゴが混入することは?
A. Fine-Tuning 時に自社素材以外を混ぜない/ControlNet で無地ベース推奨 - Q. 著作権・商標は安全?
A. Midjourney/Leonardo は有料プランで商用ライツ付与。“他社キャラ・IP” 禁止を徹底
6. まとめ:まずは“Style ID登録”から始めよう
AI生成でブランドを守る鍵は①トーン固定 ②モデル学習 ③レイアウト制御の三段階。 最初の一歩は、Midjourneyで --style tune
を試し、Style ID を取得することです。 その ID を付けた生成物の統一感を体験し、次に Fine-Tuning/ControlNet を拡張していきましょう。
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